「 永長左京 ( 第一家庭電器 創業者 ) 寸語録 」

   
   
よいと思ったことが失敗してもよい。
先ず経験をつむことがつぎの大きな飛躍となる。


同じ失敗は二度と繰り返してはいけない。
二度目の失敗は怠慢である。


己の利益のみを考えず、社会に少しでもお返しするという、
自然の流れにそういき方が、結局は自分の力と富と徳とを増すことになる。


私利私欲を捨てた時、人間は必ず社会から報われる。


与えられた責任を果たそうとすれば、社会はそれほど不安なものではない。


金を借りるコツは必ず返すことだ。
返した金はまた必ず借りられる。


人間には、その働きに応じた資格が、天から与えられるものだ。


世の中は与えられたことを動ずることなく、素直に行うことがよいのではないか。
それは感謝のうけとり方ひとつである。


視野をひろめ、たえず勉強すれば、困った、つまったということはないものだ。
困った、つまったというときは、自分の勉強がとまったときである。


頑固ではならない。素直に人のいうことを聞くことが、
自然に人間のワクの大きさをひろげてゆくものだ。


すべて人間に限らず、宇宙のものは借りと貸しで成り立っている。
貸しがあれば借りがある。
ひとつの目に見えない貸しが社会にあれば、それは誰にもわからないけれども、
あらゆる角度から必ずわれわれに戻ってくる。


大衆の資本によって、大衆に正しい商いをし、大衆へ利益を還元する。
そして大衆に支えられた商人こそ栄える。
( 第一家庭電器株式会社 社是 )


繁栄はお客さまに喜びと満足を与える心から生れる。


相手を喜ばして自分が楽しめる。
この心が無限大の幸せにつながる。



えらい人に会うときは前の晩グッスリ寝て、前から準備しておかない。
ブツかったときが勝負だからだ。


生きるために働くと、金ができると働く意欲を失う。
社会のために働くと、無限に働く意欲がつづくものである。


人さまのお金を預った仕事には、生命をかけても責任を感じる。
その責任が重いほど仕事が伸びる。


信仰は祖先を敬う心である。
近い祖先は仏さまで、遠い祖先は神さまである。


神さまを敬っていても、神さまに頼ってはいけない。
頼る心には限界がある。


ヤスリ屋をやって学んだことは、鉄は熱いうちに叩けということだ。
鍛えるのは若い時ほどよい。


おいしい食べものとはみんなで食べたときの食べもので、
どんなにおいしそうでも、一人で食べるとまずいものだ。


商売にはシオ時というのがある。
見切りをつけるタイミングを逸してはいけない。
ダラダラ未練がましいと元も子もなくなる。


前に失敗したことへ必ず挑戦する。
これは失敗を成功に導く道である。


商売は儲けなければいけない。儲かってこそ社会に奉仕できる。


売って頂く有り難さ。買って頂く有り難さ。儲けさせて頂く有り難さ。
この心が商売を栄えさせる。


借りをつくらず貸づくりに専念すべきだ。
無形の貸しをつくる。これが人間の財産である。


親切につくしきる心。それが幸せをつかみ得る心である。


人間は、自然の豊かな守りの大きさを知ることが大切である。


自己中心の考えを捨て、社会の中の私であるという心のあり方が幸せをつかむ。


根をはらせるだけ樹は伸びる。
会社の根は取引先であり、顧客であり、社員である。


先ずお客に満足を与えることが大切だ。つぎにソロバンになるかどうかを考えるのが、
商売の上手下手のわかれ目だ。




 以下は昭和四十七年十二月、故永長左京が声帯を手術された後、
 筆談によって残されたものの中から収録したものであります。



病気は医者まかせ、命は神まかせ。
私の体は預りもの、私のものは心だけ。


病院は楽しく寝るところ、社会は楽しく働くところ。


商売は先生に学ぶ、学問も先生に学ぶ、すべて経験者に学ぶ。
人生は学びである。


素直な気持ちが売上増につながる。
時流をとらえ、時流にしたがうことが大切である。



商売は色々と変るところに味が生まれる。
研究して時流に素直にのることである。


--- 商売で繁昌する秘訣 ---

相手に満足を与える。
相手を喜ばせる。
自分は相手の満足をみて喜べる人間になる。
信用を大切にする。
「君のやることは間違いない」と、
社会から認められるよう日々努力する。

--- 必ず商売で失敗する秘訣 ---

自分の都合で商売する。
第一に自分の利益を計算して商売する。
利益がなければ商売しない。
お客を困らせる。
自分が困らないよう努力する。


買って儲けるのでなく、売って儲けるのが商売である。
買って儲けるのは倍、儲けても倍。
売りにまわれば天井知らずに売れるものです。


責任をもってみると毎日が楽しくなり、
責任をもたないと毎日が苦労になるものです。


英知を絞り、苦境打破に無限の楽しみを感じたい。


不況の時こそ売上を達成する楽しみの時代で、非常に働き甲斐があるものです。


不況時にどう耐えるかが、一生のうち一番大事な時ではないか。
熊は半年穴倉で暮している。しかも喰わずに。


声が出ない。人さまの顔を立てる。顔を出す。
それだけで生きている。


不自由を常と思えば不足なし。おかげで近く退院、
また楽しく働ける。六十六歳。


自分の顔を立ててもらいたいなどは、一番くずの人間の考えることです。
責任を相手に転嫁するなどはなおさら。


私は将来のことを考えた時、子供ら六人は生活に困らない程度で、
あまり財産をのこすことはよくないと思う。


私は神に、「生ある間に上場したい」、声帯をとった時に、
「一部上場まで生かして下さい」と、祈りをこめた。


私は夢と希望をもって、働き甲斐、生き甲斐を感じてきたが、
神は祈りどおりにしてくれた。


財産は自分で守るだけでは駄目です。
社会から守られて安泰になるものです。


財産もほしくない。徳積みのむずかしさ。
仲々頭のいる仕事です。


これからの人は夢と希望をもつことです。
できるだけ一生かかってもできないほどの夢がほしい。


世の中で今くらい真心に欠けている時代はない。
とくに真心に力を入れて、仕事は信用ですることを忘れてはならない。


心してみれば、世の中の人は皆教えて頂く、有り難い人達ばかりです。


五年やれば 一生の事は出来る


急いで死んでも六十七歳
急いで死んでも六十七歳 私の人生学


『 永長左京追悼集 ( 昭和51年2月18日 発行・第一家庭電器株式会社 )』 より
   

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